<amazon紹介文>
本書では平易かつドラマチックにアドラーの教えを伝えるため、
哲学者と青年の対話篇形式によってその思想を解き明かしていきます。
著者は日本におけるアドラー心理学の第一人者(日本アドラー心理学会顧問)で、アドラーの著作も多数翻訳している岸見一郎氏と、
臨場感あふれるインタビュー原稿を得意とするライターの古賀史健氏。
対人関係に悩み、人生に悩むすべての人に贈る、「まったくあたらしい古典」です。
この記事の目次
嫌われることを恐れないで自分勝手に振るまえ!という本ではない
これは旦那が買ってきた本で半年ほど目に入りつつも、中身を開くことはありませんでした。
休みの日に本を整理していてふと手に取り、旦那が仕事中だったのでパラパラとめくりはじめました。
物語は青年が哲学者の家を訪ねてくるところから始まります。
青年は「変わりたい」と言いながら、過去に縛られ、他人の視線を気にしながら中々変われずにいます。
そしてそんな自分が好きになれずにいる。
「人生はシンプルであり、人は変わることができるし、誰でも今日から幸せになることができる」と唱える哲学者に
「私は変われずにいる!幸せになるなんてありえない」と異議を唱え、持論の撤回を求めてやってきました。
世界的にはフロイト、ユングと並ぶ心理学界の三大巨匠とされながら、日本国内では無名に近い存在のアルフレッド・アドラー。
「人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである」と断言し、対人関係を改善していくための具体的な方策を提示していくアドラー心理学
は過去や周りに縛られて、身動きが取れないでいる現代人に必要な思想です。
少し内容は受け入れがたい部分があるかもしれないですが対話形式にしているので、
消化しやすい構成になっているのもこの本の良い部分です。
手にとって「嫌われてもいいから自分勝手に思うように振るまえばいいんだ!」という内容かな?と思いましたが、
話は真逆の方向へ進んでいきます。
納得できても咀嚼して、自分のものにするのは大変
「昔のトラウマがあって、○○できない」というのはよく聞くことがあります。
私は高所恐怖症であったり、あがり症であったり、、でも「トラウマは存在しない」というのがアドラー心理学です。
常に原因論を唱える場合、「昔高い場所から落ちて大けがをしたから、高所恐怖症になってしまった」という例では
過去に行った「大けが」という出来事に縛られ、「高所恐怖症」であり続けることを選択した生き方で、変わることはとても難解です。
しかしアドラーは「高所恐怖症を直したくないから、大けがという過去の経験を持ち出している」という目的論だという考え方です。
経験に縛られるのはなく、経験をどう意味づけするかは自分次第ということです。
考え方はとてもシンプルで、分かりやすいです。
今までの人生で見てきた角度を変えて、
自分の行動を変えていくというのは中々難しいので、自分のものにするのは時間がかかりそうです。
作中にも「実際に習得するには生きてきた半分の時間がかかる」ということなので、私の場合27歳なので13年。。
頭の片隅にでも常に置いておきつつ、
何か壁にぶつかったり、他人や過去のせいにしようとした時、見つめ直す材料としてとてもいい思想だと思います。
マンガ本を読んでいるように終盤へ
二人は全5夜という時間をかけて、対話を通して理解していきます。物語なので飽きることなく進めました。
「嫌われる勇気」というタイトルですが、最終的には「他人に貢献できていると感じることが幸せ」という結末を迎えます。
幸せな人は「自己受容」「他者信頼」「他者貢献」ということが出来る人というのがこの本の終盤です。
これだけ見ると全然納得できないと思いますので、気になる方は読んでいただきたいです。
自分を見失わないために、「いま、ここ」にスポットライトを
登山のように頂上を目指して生きている人は今この瞬間もし命つきたら「道半ば」ですが、
瞬間瞬間を大事に今やるべきことを懸命に生きている人はもし命つきても「懸命に生きた」人生だと。
今の自分は「嫌い」と言いながらもも、無意識に今の自分が気に入っています。
今の自分が居心地がいいので、変わることを恐れます。
ただ、勇気をもって踏み出すができれば、他者へ貢献しようとする自分を認めてあげるシンプルな人生です。
顔色をうかがい、他人に好かれるように、自分の意見を押し殺すような生き方は
その場は凌げて、簡単かもしれませんが、いずれ糸は絡み合い、自分という糸の色さえ見失うということです。
誰のためでもない、自分のためにしっかり歩みたいなと再認識しました。
心理学の本は好きで見ますが、今まで見てきた本を集約したような1冊で、
読み終わると心が少しスカッとして「がんばろう」と素直に思える本です。
他にもアドラー心理学の本も読んでみたいなと思います。
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