何で選ぶ?電力小売り自由化で始まる電力戦国時代

電力小売り自由化について2016年1月より本格的な受付が開始されました。
2016年1月25日現在、国の認可済み登録事業者は130社ほどです。
130社もの企業から自分に合った電力小売り業者を見つけるというのは、至難の業です。
「どういった基準で選べばいいのか?安全に供給されるのか?安くなるのか?」など分からないことだらけですよね。

多くのメディアでも取り上げられる機会も増えて電力小売り自由化について
耳にする機会は増えましたが、行動までは移していないという方は多いのではないでしょうか?
何を隠そう、私もその一人です。(え

主婦的な目線とFP(ファイナンシャルプランナー)としての視点も交えながら、
電力小売り自由化についてまとめていきたいと思います。

そもそも電力小売り自由化って?

2016年4月1日以降は、電気の小売業への参入が全面自由化されることにより、
家庭やコンビニなども含む全ての消費者が、電力会社や料金メニューを自由に選択できるようになります。

新規参入者は安定的に供給できるのか?

新規参入でよりよいプランを選択できるのは嬉しいですが、
新規参入で本当に安定的に供給され続けるのか不安に思いますよね
海外でも大停電になった事例もありますので、そこは政府も考えていました。

下の図を見ていただくとお分かりいただけると思いますが、電力供給は3つの部門に分かれています。
(1)発電部門
(2)送配電部門
(3)小売部門
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※出典元:経済産業省 資源エネルギー庁「電力供給の仕組み」より抜粋

今回自由化になったのは(3)小売部門の「コンビニ・家庭など」に供給することです。
(1)発電部門はすでに原則自由化されていますし、(2)送配電部門は従来通り、地域の電力会社が継続して担当します。
つまり、(2)送配電部門=電気を届けてくれる道は今までと変わらず、
(3)小売部門を選べることで「どの企業から、どのようなエネルギーを買うか」を決めれるようになる。
ということです。

また、小売り会社が電力不足になった場合は既存の地域電力会社が補填することが義務化されています。(当面は2020年3月まで)
2020年3月までは消費者保護のため、既存の電力会社のプランをそのまま使うことも出来るので、無理に急いで変更する必要はないかもしれません。

なぜ電力小売り自由化が起きたのか?

なぜ電力小売り自由化というのが起こったのか?というと、1990年代に世界的な電力供給の規制緩和が進み、
日本も電気事業の売り手市場が続き、設備の高コスト化や海外価格との格差が問題視されていました。

そこで1995年より、電気事業制度改革を実施、発電部門の競争化や小売りの自由化が進んできました。
最初の小売自由化は、2000年3月に大規模工場やデパート、オフィスビルが電力会社を自由に選ぶことができるようになり、
その後、2004年4月・ 2005年4月には、中小規模工場や中小ビルへと徐々に拡大していきました。

そして、今回2016年4月に一般家庭や商店への参入が可能となり、完全自由化の総仕上げとなったのです。

電力小売り自由化のメリット・デメリット

さて、歴史やシステムを理解いただいたところで、
気になるのは「どんな恩恵を受けれるのか?そしてリスクはないのか?」という点だと思います。

電力小売り自由化のメリット

  • 時間帯別料金などライフスタイルに合わせた料金設定が可能になる。 
    例えば日中はほとんどおらず、夜間のみにしか電気を消費しない家庭ならば、
    供給する時間帯によってプランを決めると従来より安く抑えることができる場合もあります。
    ライフスタイルによって料金プランを選択できれば、今よりももっと「料金の見える化」が進みます。
  • 省エネ診断、セット割などの新しいサービスを受けられる。
    今回の小売り自由化で最も期待されているサービスと言っても過言ではありません。
    携帯電話とのセット割、ガソリンとのセット割など、通信会社の大手3社は既に事業へ参入し、三つ巴の戦いが始まるでしょう。
    消費者からしても、家庭の固定費がセット割になるとすれば、「電力会社を切り替えようかな」と考えるきっかけにもなります。

  • 再エネ発電中心のサービスを選択できる。
    太陽光、風力、水力、地熱などの再生可能エネルギーを中心に発電を行う会社から電気を購入することも可能となります。
    少々割高とはなりますが、環境にやさしい再生可能エネルギーを使用したいという環境意識の高い人に人気のプランになることが見込まれています。

  • 電気の地産地消が可能になる。
    近くの自治体が運営する事業者から電気を買ったり、住んでいる地域以外のエリアから電気の購入をすることも可能となります。
    つまり遠く離れたふるさとの企業から電気を買うことも可能となり、地産地消というニーズの高まりにも応えることができます

電力小売り自由化のデメリット・注意点

  • 安くなるとは限らない
    自由化前は電力料金の設定には経済産業省の認可、届出が必要で、
    値上げについては査定、公聴会を経て認可される仕組み(規制)がありましたが、自由化後はなくなります。
    ガソリン価格のように、災害や政情不安等による燃料費の高騰により、 値上がりを含め料金が不安定になる可能性も否定できません
  • 固定料金だと解約金が発生する場合がある
    料金は固定料金と変動料金で各社のプランにより異なりますが、固定料金の場合には、契約期間があらかじめ定められている場合が多く、契約期間満了前に解約すると、解約金が発生する場合がありますので、契約時にはしっかりと確認しましょう。

  • 節電意識の低下を招く可能性
    また、現在120wh以内の電気量消費に留まっている家庭など、すでに今電気代が安い場合は、逆に値上がりする可能性もあります
    多くの電力会社では「電気を使えば使うほど割引率が高くなる」という料金設定を行いますので、このまま行くと節電意識がどんどん低下してしまう危険性もはらんでいます。

  • マンション全体で電気の購入契約をしているケースもある
    マンションなどの集合住宅でも切り替えは可能ですが、管理組合などを通じてマンション全体で一括して電気の購入契約を締結している場合には、その契約やマンション内の規約などで制限される場合があるので、管理組合等に確認してみましょう。 

電力会社切り替えの手続き方法

メリット・デメリットも踏まえて、実際の手続き方法についてもまとめておきます。

  1. 切り替え先の電力会社へ申し込み
    各社のサービス窓口、電話、ホームページ等から切り替えの申し込みが可能です。 
    現在契約している地域の電力会社への解約手続きは、消費者の同意に基づき、切り替え先の電力会社が手続きを行うことが可能なので、
    実は切り替え先に申し込めば、解約手続きは代行してもらえるのです
  2. スマートメーターへの交換
    既存の電気メーターからスマートメーターへの交換が必要になります。
    工事費は基本無料。 切り替えまでにかかる日程はおよそ2週間程度といわれていますが、
    4月時点は混み合うことが予想されるので、早めに申し込むか切り替えは長引くことも考慮しておきましょう。

    切り替え先の電力会社へのお申し込み後、現在契約している地域の電力会社から交換作業の工事予定日の連絡が入ります。
    ※電気メーター交換の詳細は地域の電力会社にお問い合わせください。

  3. 切り替え先の電力会社との契約開始

手続きは意外とシンプルでした。
手続きの際の準備物はどのようなものなのでしょうか?

必要な事項

(1)現在の電力会社名
(2)現在の電力会社のお客様番号
(3)供給地点特定番号
(4)切り替え希望日

(2),(3)は検針票などで確認するか、直接現在の電力会社へ問い合わせることも可能です。
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※出典元:経済産業省 資源エネルギー庁「電力会社を切り替えるには?」より抜粋

検針票を取っている方が多いと思いますが、分からない場合は問い合わせるのが早そうですね。
4月になると電話が混み合う可能性もあるので、申し込むかは別としても先に聞いておくか
2月以降の検針票を手元に残すようにしておくと良いかと思います。

データで見る街の声

電力小売り自由化について、なんとなく大枠は掴めたところで、気になる街の声を見つけました。
ここに面白いデータがあります。

※出典元:博報堂エネルギーマーケティング推進室、第5回生活者調査「電力小売自由化について」

電力会社を変更したいのか?

(1)電力小売自由化時に、電力会社を「変えてみたい」と答えた人は、64.0%で約 2/3 に

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つまり、多くの方が「安くなるなら変えてみたい」と思っており、検討していることが覗えます。
電気代は固定費用なので、常に家計の中でも負担となってくるものなので、少しでも料金が抑えられるなら越したことはありませんよね。

変更するならいつ?

(2)電力会社の変更時期について、「自由化後すぐに変える」人が 17.2%。「最初に変えた人の様子を 見てかえる」が 49.2%で約半数。

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「日本人らしいな」と率直に感じましたが、評価型サイトが流行っているという側面もあるのでしょうか。
他の人のレビューを待って、自分の変更を考えるという方が約半数となっています。
先ほどのデメリットでもお伝えしましたが、固定料金だと契約期間が定められている場合が多く、
解約金が発生する場合もあるので様子見というのは賢い選択なのかもしれません。

何を基準に選ぶのか?

(3)電力会社選択時に最重視するのは、「料金の安さ」で75.5%。
続いて「料金メニューや手続きの わかりやすさ」「安心安全イメージの企業」が5割前後の支持。
ただし60代女性に限っては「安心安全イメージ」「手続きのわかりやすさ」が「料金の安さ」よ り支持が高い。

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選択時の重要項目は「電力自由化へ期待していること」とも置き換えることができます。
圧倒的に「料金の安さ」ですが、「手続きの簡略化」「安心安全イメージの企業」というもの期待されていることです。

これらは携帯電話事業とよく似ています。インフラという意味で同じ側面を持っているからとも言えますが、
価格競争とともに、利便性や企業ステータスはやはり自由化の上で重要な項目となっているのでしょう。

何で選ぶ?電力小売り自由化で始まる電力戦国時代まとめ

さて、長々と書いてしまいましたが、
これから始まる電力戦国時代はすでに幕開けしています。

本格受付が始まった2016年1月より、各社プランを提案してくるでしょう。
2016年4月までにまだまだ参入事業者も増えていくかもしれません。

その中で「何を選ぶのか?」という問題ですが、
それは「何を期待しているのか?」で選べばいいのではないかなと思います。

セット割など安さだけを追い求めるのか?
はたまた環境意識を高めるために割高でも再生可能エネルギーを選択するのか?
企業の安全性を取るのか?

これは個人そして、各家庭の価値観の問題です。
安くなれば、越したことはないですが、これを気に家族とともに話し合っても良いかも知れませんね。

あくまで個人的な話ですが、
私はいまだに携帯電話はドコモです。高校1年生の時に初めて手にした時からずっとドコモです。
微妙なCMをしようが、iphoneへの参入が遅くとも、それでもドコモです。(しつこいですね

なぜか。それは企業への信頼と顧客に対する接客対応がいいからだと感じているからです。
どことは言いませんが、2台持ちを検討して、他社でひどい目に遭ってから
正直、他の通信会社へ携帯電話を移行するのには若干抵抗があります。

安さだけじゃない価値観も確かに存在するのです。

そんなことを考えさせられる電力小売り自由化です。
少しずつ時代は変化していきますが、土俵は違えど、歴史は繰り返されるのでしょうか。

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ABOUTこの記事をかいた人

naoko

・合同会社BLEND 代表
・Webコンサルタント
・日本FP協会 AFP(Affiliated Financial Planner)
・投資家(株式、不動産)
福岡在住の29歳。
リクルートでの営業、やずやでの通販業務、(株)ペンシルでのコンサルティングを経験後、出産を機に退職。
子育てをしながら起業。
合同会社を設立し、IT関連の仕事をしつつ、株や不動産に投資し、資産運用に取り組み中。
現在の不労所得は月10万円