不動産投資会社 評価比較(7) 大和ハウス【資料レビュー・評判】

2棟目の検討も兼ねて、不動産投資のいろんな会社を評価比較してみようと資料請求を行いました。
今回は第7回目として「大和ハウス」についてまとめてみました。

(第1回目:「アイケンジャパン」の資料レビュー)
(第2回目:「三和エステート株式会社」の資料レビュー)
(第3回目:「トマト建設株式会社」の資料レビュー)
(第4回目:「株式会社えん」の資料レビュー)
(第5回目:「大東建託株式会社」の資料レビュー)
(第6回目:「インベスターズクラウド(INVESTORS CLOUD)」の資料レビュー)

大和ハウスとは

大和ハウスは、言わずと知れた住宅総合ハウスメーカー最大手です。

防犯に強い賃貸住宅「D-room」や天井が高いことや夫婦での暮らしやすさを提案する戸建住宅など
ハウスメーカーの中でも、CMがとても印象的な会社という感覚を持っています。

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売上高は3兆1929億円(2015年4月〜2016年3月)と
その他の国内メーカーに比べると群を抜いています。

同じハウスメーカー系だと、 積水ハウスで1兆8588億円(2015年2月~2016年1月)
住友林業で1兆405億円(2015年4月~2016年3月)となっており、単純に倍ほどの売上高です。

私の勝手なイメージは戸建が多いのかと思っていましたが、
意外と賃貸経営物件が多いことが分かりました。

2015年度の住宅販売戸数(引用:大和ハウスHP)
戸建住宅:6,999戸
分譲住宅:2,333戸
集合住宅:38,903戸
分譲マンション:3,868戸
合計:52,103

販売物件の約75%は集合住宅=賃貸経営物件ということです。
賃貸物件用のサイト「D-room」を運営しているのも頷けます。
賃貸住宅や商業施設、事業施設が収益の多くを占めています。

さて、これだけ力を入れている賃貸経営ですが、
資料はどんな内容になっているのでしょうか?

大和ハウスの資料評価

資料請求へ進むと合計5冊までカタログ請求できます。(賃貸住宅建設をお考えの方用:資料請求ページ)
大東建託と似たようなシステムですね。

今回は以下の5冊を取り寄せました。

①ダイワハウスと考える賃貸住宅経営 土地活用BOOK 入門篇
②ダイワハウスと考える賃貸住宅経営 土地活用BOOK 実践篇
③悠々サポートDAPS (サポート体制)
④セジュールオッツ(3階建て:事例集)
⑤セジュールウィット-SW/セジュールオッツ-SW(防犯配慮賃貸住宅:事例集)

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①ダイワハウスと考える賃貸住宅経営 土地活用BOOK 入門篇

タイトルで分かるように、「土地あり」が大前提です。
土地なしから始められる不動産投資もありますが、
大和ハウスは基本的に「土地を持っている方」がターゲット層です。

「不動産投資を始めたい!」というスタンスというよりは、
「土地はあるけど、活かし方が分からない」という顧客目線で資料も作成してあります。
資産運用の一つの手段として、「賃貸経営どうです?」と勧めている構成ですね。


安定収入、資産継承、税務対策・・と良さそうな話が続きます。

書かれている項目としては

更地を持っておくだけでも、税金はかかります。
「税務対策」で建物を建てれば、評価額が下がって税金対策になります。

売却利益は微々たるものです。
キャピタルゲイン(売却益)よりインカムゲイン(運用益)で稼ぎませんか?などなど


そして、賃貸経営もいいかもなーと感じたところで論より証拠です。
土地の価格は変動するが、家賃は早々変動していないというデータを見せています。

ただし、賃貸経営はもちろん「経営」なので、経営計画が重要です。
その辺は大和ハウスが長年の実績でしっかりサポートしますというところで。

サポート体制や実績もしっかり掲載されています。


※魅力とリスクはワンセットで確認!

全体の流れとして「良く出来ている」の一言です。

こうやって安易に賃貸経営を始めようとするだろうなと。
全体と見ての正直な感想です。


<資料を取り寄せたターゲット層が流れていく構図※あくまで予想です>

「賃貸経営よさそうだなー」

「とりあえず話を聞いてみよう」

「担当者に言われるがまま信頼する」

「契約」


これはかなり危険です。
もし、この資料を見て、賃貸経営の魅力を知ったなら、
必ずリスクについても確認しましょう。担当者の話だけではなく、
周りにいる体験者や自分でもリスクについて調べてみましょう。

↓不動産投資のリスクに関する記事↓

不動産投資のリスク(1)不動産投資の代表的な3つのリスク

2015.03.27

②ダイワハウスと考える賃貸住宅経営 土地活用BOOK 実践篇

大まかな資料の流れは以下の通りになっています。
◎実際の土地診断や市場調査、施工までの流れ
◎その後のサポート体制
◎建築計画
◎実例紹介


実際に賃貸経営を始めたいなーと感じていても、ベストな活用法は素人では難しいものです。

土地を親から引き継いでも、住み慣れない場所であれば周辺環境も把握出来ていませんし、
その土地に賃貸を建てて、本当に収益が見込めるのかも分かりません。

そういった意味でも、一度プロの目で本当に賃貸を建てるべきかを判断してもらえるというのは有り難いと思います。
現地調査は無料で行っているということなので、まずは現地調査をお願いするというのも一つの手でしょう。(※その後の営業活動に押されないようにご注意を)


サポート体制については、次の資料に譲るとして、
実例については土地活用ならではだなと感じました。

土地転用型、自宅併用型、建て替え型、大規模開発などさまざまな土地活用が行われています。

土地転用とは、農地などを宅地に変更するなど、土地の使い方を変えることで、税金も変わります。
親が持っていた田などに建物を建てて、相続税や所得税対策を行うことができます。

自宅併用では、賃貸物件としてだけではなく、オーナーとして自分自身も住むことです。
すべてが賃貸ではない分、住宅ローンでの低金利を実現できるため、近年人気のプランでもあります。

それぞれの事例ごとに担当者や顧客の声が一言添えてあることで、
どんな要望をプランニングで最終的に叶えていけたのか。
担当者として、どんな部分でお客様のプランとすり合わせていったのかが分かります。
実際に自分が要望を伝えて、どこまで実現可能なのかも見えてくるでしょう。


③悠々サポートDAPS (サポート体制)

写真右端の緑色の冊子です。計14ページほどで入門編、実践編の半分くらいのボリューム感です。

大和ハウスのサポート体制は大きく3つです。
1.施設管理サポート
2.経営サポート
3.資産管理サポート


1.施設管理サポートは、「長期施設診断システム」「お客様センター24時間対応」の2点ですが、
長期施設診断システムは5年ごとに点検を行うという保証がついています。これは安心だなと思いがちですが、少し注意が必要です。

保証診断(無料)ののちに、有料メンテナンス工事というのがあります。
もちろん、修繕積立は必要ですし、メンテナンスが有料なのは当たり前ですが、本当に必要な修繕なのかを見極められる知識が必要となります。
相手に言われるがまま、「入居者アップのために修繕を!」なんて言われ、修繕工事を行うと必要過多な請求書を突きつけられる可能性もあります。
安心のサービスにはその分年間ごとに自動でお金が請求されるシステムがつきものです。
この辺りも本当に必要な修繕かをしっかりと見極める目を持ちたいですね。


2.経営サポートは、「一括借上システム」「入居募集サポートのD-room」の2点ですが、
入居募集サポートの「D-room」は大和ハウス物件を優先的に紹介するものなので、有り難いかもしれませんが、
「一括借上システム」はしっかり把握していないと危険がいっぱいです。
大東建託の資料レビューでも書きましたが、一括借上は諸刃の剣です。

一括借り上げとは、不動産投資最大のリスクである「空室対策」のために作られたもので、
大和ハウスの管理会社である大和リビングが空室でもオーナー側へ家賃を払うので、
遅延の心配もなく、空室の不安から解消されるというものです。

一見、とてもオーナー側の意向に沿っていそうですが、
空室だろうが、満室だろうが、家賃の80%程度しかオーナーには入りません。

なので、立地条件が良い場所なら無理に一括借上システムを利用してしまうと、
ずっと満室なのに無駄な管理費を払っていることになります。
また家賃の見直しで減額されることも多々ありますし、入居率低下に伴う修繕にも応じていかなければいけません。

必ず運用シミュレーションを行うべき内容なので、安易に一括借上システムを利用しないことをおすすめします。


3.資産管理サポートは「セミナー開催」「コンサルティングサポート」の2点です。
セミナーは、資産活用や賃貸住宅経営の研修会とのことなので、2棟目を検討していく人向けですかね。
あとは入居率の低下に伴う建て替えなど、てこ入れを目的にする方もいるでしょう。

コンサルティングも資産継承なら、不動産だけじゃなく、
預金、有価証券、生命保険など財産全体の把握と評価を行い、
対策の立案、実行、効果検証を行ってくれるそうです。
ファイナンシャルプランナーもそうですが、自分では中々気づきにくい家計全体の見直しを行ってもらえるのは有り難いですね。
ですが、すべてをその通りに行うというよりは、出てきたデータを参考にしつつ、じっくり家族で判断していくのが大切です。

④セジュールオッツ(3階建て:事例集)

写真でいうと左下。THEカタログという感じの18ページほどのB4冊子です。

2階建てではなく、3階建てにすることで、
賃貸収入1.5倍の世帯数アップを目指し、ワンランク上の賃貸住宅の提案です。

中身は良くも悪くも大手の設計プランという感じです。お金掛かってる外観だなと思うデザインが盛り込まれています。

外壁やドアノブなどのアイテムも一覧化されているので、オーナーの好みでカスタマイズができそうです。

⑤セジュールウィット-SW/セジュールオッツ-SW(防犯配慮賃貸住宅:事例集)

こちらは防犯対策に特化した内容で、女性向けのペラ1枚の両面印刷です。
こちらは事例集というよりも、防犯住宅での工夫している点をまとめた資料です。
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上記のような、サイト内で説明しているものが一つにまとまっている感じなので、正直資料請求しなくてもよかった・・
と感じてしまいました。

女性が「ちょっと嬉しい」と思うような洗面化粧台やクローゼットの大きさなど
こだわりを感じられる賃貸住宅になっています。

大和ハウス資料レビュー・評判まとめ

大和ハウスの資料を読んだ全体の感想としては「資金に余裕のある高所得者向け」というイメージです。
大手ですので、実績も多いですし、途中で業者が逃げてしまうなどのトラブルは皆無でしょうが、
さまざまなサービスを行い、至れり尽くせり。クオリティが高い分、単純に単価が高そうです。

もし、私たちが持っている土地を今後、別の用途で考えるとしても、
安心感という面で見積もりを行ってもらい、他社との検討は確実に行いたいなと感じました。
大和ハウスで躊躇なく決めるということはないと思います。

NAOKO
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ABOUTこの記事をかいた人

naoko

・合同会社BLEND 代表
・Webコンサルタント
・日本FP協会 AFP(Affiliated Financial Planner)
・キャリアコンサルタント
・投資家(株式、不動産)
福岡在住の32歳。
リクルートでの営業、やずやでの通販業務、(株)ペンシルでのコンサルティングを経験後、出産を機に退職。
子育てをしながら起業。
合同会社を設立し、IT関連の仕事をしつつ、株や不動産に投資し、資産運用に取り組み中。
現在の不労所得は月10万円