【書評】リクルートのすごい構“創”力 アイデアを事業に仕上げる9メソッド

「リクルートのすごい構”創”力」というタイトル。
一見、”想”→”創”なんて「また言葉遊びをして」と思ってしまったのですが、
読了すると「まさに」と感服しました。

各項の終わりに数行のまとめがあり、各章の冒頭で概要説明も入るので、
忙しい方が少しずつ読み進めるにもオススメです。

企画を考える人ならば一度は陥りがちな要素てんこもりですが、
一つでも当てはまるものがあるという方には是非とも見て頂きたいです。

  • 計画を練り続けるばかりで、先に進まない
  • 一度決めた計画を変えられない
  • 時間をかけて計画を立てる割に、ツメが甘い
  • 当事者も、経営陣も本気で成功すると思っていない
  • うまくいかなくなっても、撤退の決断ができない

・・・私はまさに、この中でぐるぐると渦巻いていました。
新規サービスを考えてはみるものの、どれもピンと来ないまま時間を消費していました。

「自分にもビジネスの種さえ生み出す根気があれば、大成するのでは」
勇気と希望を与えてくれます。
そして、自分の不甲斐なさをちょっと見つめ直せた一冊です。

リクルートへの大きな誤解

リクルートといえば、リクナビNEXT、SUUMO、タウンワーク、ゼクシィ、じゃらんなど
多岐にわたる新規事業を成功させてきた大企業です。

大企業だからこそ、その成功例については「リクルートだから」とどこか他人事になり、
もはや自分事になり得ないほどに、大きな差を感じてしまうものです。

著者である杉田浩章さんは経営コンサルタントとしてすでに17年もの間、
リクルートでの企業進化に関わってきた方です。
そんな著者が客観的な視点で、世間が思う「リクルートへの3つの誤解」を冒頭でまとめています。

【誤解1】クリエイティブな一部の”天才”が、素晴らしいひらめきで名案を出し、それをやり抜いている
【誤解2】消費者マーケティングや派手なプロモーション、圧倒的な営業力で新規事業にさせている
【誤解3】新規事業すべてが、確実に成功している

どうでしょうか?まさに私はこんなイメージでした。
一部の天才のひらめきを頼りに、圧倒的な力で推し進める。THE大企業という風貌です。

しかし、近くでみてきた著者は「非常に緻密かつ、システマチック」と表現します。
本当のリクルートの姿が少し知りたくなってきました。

「0→1」だけでなく「1→10」への仕組み化

リクルートがただの化け物企業ではないということを認識した上で、
天才たちのひらめきではなく、仕組みやフレームワーク=「構え」でアイディアを事業への創りあげていく方法がまとめてあります。

多くの企業が考える新規事業展開は「0→1」に重きを置いています。
しかし、リクルートは「0→1」のみではなく、生まれた事業を「1→10」にすることへの仕組みが勝っているからこそ、
大きな波を創り出すことに成功しています。

新規事業に見られる、「撤退のタイミングを失う」という失敗は、
不動産投資や株式投資でも起こる、出口戦略のなき投資で初心者がハマりやすい罠とよく似ています。

提案者、経営者側の本気度の低さや企画採用へのメリットのなさなど、
本来の仕事とは別に取り組む新規事業は、仕組み化がないと日々の作業に埋没してしまうのです。

本書では「0→1」「1→10前半」「1→10後半」の3ステップに分けて、
9つのメゾットを紹介されているので、詳細が気になる方は是非ご一読を。

「圧倒的な当事者意識」を引き出す経営側の工夫

私は少しの期間ですが、
リクルートの「ホットペッパー」という部門の営業担当をしていました。
その間に起こった事がこの本にも出てきました。

「おまえはどうしたいと思ってるの?」という言葉。
さんざん、上司に言われました。
そして、失敗しながらも、うまく課題をクリア出来た時は誰もが手放しで喜んでくれます。
成功した方法はみんなで共有し、「型」として日々進化し、磨かれていました。

「点と点」でしかなかったあの頃の出来事が今回の本でしっかりと「線」で繋がった感覚でした。

短期間しかいなかった私でさえ感じた「圧倒的な当事者意識」は、
クライアントにとって、使う側(カスタマー)にとって「何をすればいいのか」「何をやらない方がいいのか」
を常に考えさせられ、本来の意図を忘れることなく、邁進できる力になっていました。

これらが、皆に浸透し、風土となり、環境として生まれるまでに、
私では想像できない挑戦と失敗が積み重なったのだなと歴史を感じました。
それとともに、「自分の中にあるやりたいことが明確にアウトプットできれば、
そこから先は自分がいなくてもみんなで創っていけるんだ」という
大きな気づきを得ました。

「おまえは原石だ」と言っていた上司の言葉はこの仕組みを知っていたからこそ、
自信を持って、私を向かい入れようとしてくれたんだと
改めて感謝の気持ちとともに、妙な納得感も得られました。

【書評】リクルートのすごい構”創”力まとめ

「限界突破したのかもね。」
旦那に今回呼んだ本の話をしているとき、ふとつぶやいた一言です。

実はこの本は旦那の買ってきた本で、その前に以下2冊を読んでおり、
概要ばかりで「なるほどー」と感じていただけの知識が、
この本の中で出てくる内容を深く読み解けるヒントになっていました。

[図解]大学4年間の経済学が10時間でざっと学べる

[図解]大学4年間の経営学が10時間でざっと学べる

「知識が繋がる瞬間があると、勉強って楽しいよね」とこぼす旦那に
「まさに」と感服した私なのでした。

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NAOKO
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ABOUTこの記事をかいた人

naoko

・合同会社BLEND 代表
・Webコンサルタント
・日本FP協会 AFP(Affiliated Financial Planner)
・キャリアコンサルタント
・投資家(株式、不動産)
福岡在住の32歳。
リクルートでの営業、やずやでの通販業務、(株)ペンシルでのコンサルティングを経験後、出産を機に退職。
子育てをしながら起業。
合同会社を設立し、IT関連の仕事をしつつ、株や不動産に投資し、資産運用に取り組み中。
現在の不労所得は月10万円